能登半島地震で被災された方への会費減免措置について

このたびの能登半島地震ならびにその後の避難生活等でご苦労されている会員のみなさまには、心よりお見舞い申し上げます。

日本近代文学会関西支部では、少しでも被災された方々のお力になれればと考え、最大2年間までの会費免除を予定しております。日本近代文学会関西支部会計担当
(nobutoki[a]konan-wu.ac.jp)までご連絡ください。
なお、今年度分の会費をすでに納入された方や過年度の未納分のある方など、さまざまなケースが想定されますので、具体的な減免措置の内容については、個別に相談させていただきます。お知らせのあった方々には、可能な限り早急に会費減免の手続きを行います。
被災されたみなさまの、一日も早いご回復を心より祈念申し上げます。

※メールを送信される際には、[a]を@に変えてご連絡ください。

2021年度秋季大会

2021年度関西支部秋季大会は、オンライン上(zoomウェビナー)で大会を実施します。

ご参加にあたっては、関西支部より送付いたします「会報」34号、もしくは本サイトのご案内をご確認いただき、「事前登録」の手続きを、インターネット上にて事前にお済ませいただきますようお願いいたします。

なお参加を希望される会員外の方は、問い合わせフォームから、資料閲覧用のパスワードを申請していただきますようお願いいたします。

 

2021年度日本近代文学会関西支部秋季大会 小特集企画 

小特集企画「児童文学研究と文学館」

〔企画趣旨文〕

 文学館や資料館の役割は、関連図書や貴重資料の収集、保存のほかに、資料の発掘、調査研究、そして、それらの資料体を活用することにある。展示やワークショップなどを通じて、資料体の豊かな世界を人々に開くことは重要な役割である。

 しかし、近年、地方自治体の財政状況、もしくは、事業統廃合の影響をうけ、文学館や資料館をめぐる状況は厳しさを増している。また二〇〇三年の地方自治体法一部改正によって効率重視の指定管理者制度が導入され、プロフェッショナルな知の継続が危ぶまれている。

 我々文学研究者の研究活動は、文学館や資料館の資料蓄積の恩恵の上に成り立っており、現在、文学館や資料館の抱える問題は、今後、研究へも大きな影響を与えるだろう。

 今回の小特集では、こうした文学館や資料館の現状を踏まえた上で、児童文学館に焦点を当てる。二〇二一年関西支部春季大会では新学習指導要領の実施をふまえ国語教育における芥川龍之介「羅生門」の小特集を行った。児童文学館とは、上記の文学館や資料館の役割のほかに、教科書と同様に、文学と出会う場を子どもたちに提供し、次世代の文学の担い手を育てる場でもある。

 本小特集では、まず、大阪国際児童文学振興財団(IICLO)理事長・宮川健郎氏に「大阪国際児童文学振興財団の一〇年と児童文学研究の新しい可能性」と題して、大阪国際児童文学振興財団一〇年の歩み、「児童文学研究」とは何かについてご講演いただく。

 そして、岡野裕行氏(皇學館大学)と森本智子氏(甲南女子大学)にご登壇いただき、講演者を交えて「児童文学研究と文学館」に関するラウンドテーブルを行う。ラウンドテーブルでは、まず、児童文学館の現状と課題を検討する。そこから、児童文学研究における児童文学館の役割や、さらには、文学館や資料館と社会・教育との連携など、さまざまな観点から文学館や資料館をとりまく課題や可能性を議論していきたい。

〔講演要旨〕

宮川健郎

 大阪国際児童文学振興財団は、かつては大阪府立国際児童文学館の運営母体でした。二〇一〇年三月、吹田市万博公園内にあった大阪府立国際児童文学館が廃止されました。国際児童文学館の資料は、東大阪市の府立中央図書館に移動し、同年五月、同図書館内に新たに国際児童文学館がオープンしました。図書館とは別の入口のあるスペースで、約八三万点の資料は、そこで引きつづき閲覧できます。私たちの大阪国際児童文学振興財団も、同年四月に、やはり同図書館内に事務所を移して、新・国際児童文学館を支援してともに資料収集にあたり、研究および国際的な活動をつづけています。

 今回は、大阪国際児童文学振興財団が再スタートしてから一〇年間、どのように考えて仕事をしてきたのかをお話ししながら、児童文学研究における「資料」の意味を量ります。いや、そもそも、「児童文学研究」とは何をすることなのか、何をしてきたのか、歴史的な経緯もふくめてお話ししてみたいと思います。

2021年度日本近代文学会関西支部秋季大会 自由発表 発表要旨

三好達治の四行詩―同時代俳論の影響に注目して―

武久 真士

 三好達治の詩集『南窗集』(椎の木社、一九三二)などに収録されている四行詩については、従来俳壇の写生論やフランスの詩人ジュール・ルナールの影響が注目されてきた。特に俳論の影響に関しては詳しく論じられており、『ホトトギス』派の花鳥諷詠論を三好が取り入れていたとの指摘がなされている。しかし、同時代の俳論を詳しく調査すると、そこで述べられているのが単なる花鳥諷詠の写生ではなく、詠者の主観と対象が密接に結びついた主客合一の境地を目指したものであることが見えてくる。本発表ではそれを踏まえ、三好が四行詩においてそうした俳論をどのように活用しているのかを分析する。三好は主客合一的〈写生〉を語り手〈私〉と風物の重ね合わせという表現の面に生かしており、そうした詩法は彼の詩論を実現することにもつながっているのである。三好は「詩歌と科学」(『科学ペン』一九三七・一)などの詩論において、読者が詩を読むことを通して詩人の「調和感覚を喚起し再現する」こと、つまり詩人の感覚と読者の感覚が重なることの必要性を主張している。主客合一的〈写生〉が応用されることにより詩で読まれた対象と詩そのものが重ねられ、その結果表現という面において風物を詠む詩人と詩を読む読者までをも重ねることが可能となったのである。三好は西欧流の四行詩(カトラン)に俳句の〈写生〉を組み合わせることで、独自の定型詩を作り上げたのだと言える。

2021年度春季大会&企画展示

2021年度関西支部春季大会は、現コロナ禍により、オンライン上での大会・総会(zoomウェビナー)を実施し、併せて大阪市立大学で展示企画を行うことになりました。
ご参加にあたっては、関西支部より送付いたします「会報」33号、もしくは本サイトのご案内をご確認いただき、「事前登録」の手続きを、インターネット上にて事前にお済ませいただきますようお願いいたします。

 

 

【重要】事務局移転のお知らせ

2021年5月より事務局が移転しました。

〒559-0033 大阪市住之江区南港中4丁目4-1
相愛大学人文学部 荒井真理亜研究室内
日本近代文学会関西支部事務局

お問い合わせ等は下記にてお願いいたします。

kindaikansai [a] gmail.com
※[a]を@に読みかえてください。