2014年度 関西支部春季大会小特集企画

【小特集企画】
サブカルチャーと〈作家/作者〉

※2013年度から始まった連続企画「文学研究における<作家/作者>とは何か」(全4回)の第3回にあたる特集です。
趣旨
 日本近代文学会関西支部では〈作家/作者〉の問題を継続して扱ってきたが、連続企画の第三回目はアニメーション・マンガ・ライトノベルなどのサブカルチャーの分野からこの問題をとらえてみたい。
 サブカルチャーにおいては、共同制作や分業、アシスタントや編集者の介在、読者アンケートによる連載の打ち切り・引き伸ばしが常態化し、〈作家/作者〉が思い描いていた物語とは変化していくことも少なくない。さらにスポンサーの影響や商品としての側面、アニメ化・ゲーム化、読者による二次創作などの広がりを視野に入れれば、〈作家/作者〉のイメージはきわめて複雑になってくる。
 たとえば、近年、マンガ家を描いたマンガやエッセイマンガなどが好評を得ているが、小説家小説(=私小説)の流行と並べてみると、近代小説と通底するものが見えてくるかもしれない。一方、サブカルチャーにおける共同制作や分業、メディアミックス等の視点と、近代文学研究とを突き合わせたとき、われわれが持ちえた従来の問題意識以外にも、近代小説の新しい相貌が立ち上がってくる。編集者の存在、あるいは映画化・テレビドラマ化等が〈作家/作者〉におよぼした影響について、きちんと考察されてきたとは言い切れないのが現状ではないだろうか。
 今回の小特集では、サブカルチャーにおける〈作家/作者〉について問い直す試みを行い、あわせてサブカルチャーでは自明視されてきたが近代文学研究では未だに十分に検討されてこなかった問題についても考えたい。対象は多岐に渡るであろう。様々な視点からの切り口をもとに、刺激的な意見交換の場となることを期待する。